銀座文明堂『天下文明極上バームクーヘン』

by スイーツそのべ · 2008年12月1日

銀座文明堂の

『天下文明極上バームクーヘン』

和紙に桐箱という荘厳な包装から現れたそいつは、
あたかもＲＰＧゲームのボスキャラの如く鎮座し、
決して名前負けする事の無い存在感を醸している。

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しかして、その重厚さとは裏腹に繊細なまでに薄いフォンダンを纏っており、
いかに彼女が気品の高い存在であるか、極上という詞の意味が何であるかを
その存在をもって世間にしらしめているような気さえしてくる。

いざ口へと運ぼうとすると、発酵バターの芳醇な香りが鼻を突く。
まるで高級な香水に包まれた天女に誘惑されているかのよう…。
誘惑を振り払い、前歯で断ち切り舌上へと転がすと、
発酵バター、黄身が濃厚だという厳選された卵、フォンダン、
それらの甘みが凝縮されたような深みのある味わいが、口いっぱいに広がる。

高級感を漂わせながらも「控え目」という詞には、決しておさまらない味は、
自分が上流な家庭に産まれた事をまだ識らない、活発な幼な児のようでもある。